日本のサービス業の生産性は先進国最下位
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記事の指摘は少し違う
1995年以降、ほかの先進国の生産性が大きく向上して、日本の生産性が置いていかれている理由のひとつは、日本のサービス業がITを十分に活用できていないからという結論が導き出されています。
この文をはじめとしてITの活用に傾倒した記事。ITを活用すれば生産性が上がるのは事実だが、ITを活用できたら生産性が低くなくなるわけではない。
サービス業だけを見ているうちは解決策は見つからない。試しに日本とアメリカの2国だけがある世界を考えてみればいい。
日本 | アメリカ | |
---|---|---|
日本の輸出向け製造業 | = | アメリカの輸出向け製造業 |
V | Λ | |
日本のその他の産業 | ? | アメリカのその他の産業 |
製造業は貿易できるから国家間で価格が釣り合う。その他の産業は輸出しづらいから各国で価格が決まる。
日本はサービス業の製品と比べて製造業の製品の質が高いから、サービス業は製造業よりも安くなる。アメリカは逆だからサービス業のほうが高くなる。このとき、サービス業の価格が比較可能になり、アメリカのほうが高いということになる。
日本 | アメリカ | |
---|---|---|
日本の輸出向け製造業 | = | アメリカの輸出向け製造業 |
日本のその他の産業 | < | アメリカのその他の産業 |
仮に同じだけの労働量だったとすると、アメリカのサービス業のほうが生産性が高くなる。
では製造業は飛び切り強いのか
そんなことはない。商品の質は高いがコストもかかっているから儲かっていないのだ。良品計画のように「そこそこのものをお値ごろで」という発想がないメーカーは徐々に衰退するだろう。
技術があってうれしいのは技術者であって消費者ではない。そこは心に留めておくべき。