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痴漢冤罪の保険

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斬新だが有用な保険

「痴漢冤罪ヘルプコール付き弁護士費用保険」という商品で、月額590円を支払うと、事件発生後48時間以内(対象外の時間帯あり)に限り、無料で弁護士への相談・接見ができる。

私の話をするなら、そもそも終電で帰れることがほぼないので電車の話という時点で無関係。周囲はみな徒歩通勤かタクシー通勤。

しかしこの保険はなかなかに面白いと感じる。本当か嘘かは知らないが、痴漢で有罪判決を受けた人の3~4割は冤罪だといわれているらしいので、こういったサービスがあると大幅に有罪判決の件数が減りそうだ。

掛け捨て保険

ただし、少額短期保険にはいくつかデメリットもある。まず、保険料掛け捨ての商品しか存在しない点。掛け捨てに拒否感のある人には、そもそも不向きと言える。

1%の確率で10,000円失うのと、100%の確率で100円失うのだとどちらを選ぶかという話。0.01%の確率で100万円失うのと、100%の確率で100円失うので、と言っても同じ話だ。

実際の保険は、わずかな確率で数千万円失うのと、月1,000円払うのとどちらが良いのかという選択を迫られている。致命傷さえ負わなければ怪我をしても生きていけるように、たいていの人においては、巨額な出費の可能性をゼロにするためにコンスタントに出費をすべきケースが多い。

こういう仕組みにもかかわらず、「保険をかけても得をしないから入るべきではない」とアホなことをいう人が少なくない。保険をかけて得をするんだったら保険会社は全部倒産しているだろうに。

保険会社が成り立つことは、多少損をしてでも大きなリスクを避けたいという人がふつうだということを示唆しているはずだ。

モラルハザード

自動車保険に入っているから荒い運転をしても大丈夫、といった間抜けな発想のことをモラルハザードと呼ぶ。

保険会社は損をするので、モラルハザードの対策として「大事故でないと保険は適用されません。小規模な事故は自分で何とかしてください。」という。

これに対して腹を立てる消費者がいるのだが、そういう人はこの仕組みによって誰がどんな得をしているのかを考えたほうがいい。