外資系ビジネスマンが斬る!日本のおかしなニュース

外資系企業に勤めるビジネスマンがニュースを批判しながら読む斜に構えたニュース解説ブログ

ANA へたくそなプレスリリース

ニュース

www.bloomberg.co.jp

重要な経営課題とやら

ANAは16日午前、「重要な経営課題」に関して午後に会見すると発表。それまで前日比プラス圏で推移していたANAHD株は、発表を受けて一時同7.2%まで下落した。

「重要な経営課題」と聞いて悪いイメージしか持たれないというのがいかにも日本の市場らしい。それにしても7%下落は幅が大きすぎるだろう。東芝の株なんてさほど下落していないのに。

「会見の内容は当社の重要な子会社である全日本空輸株式会社における代表取締役の異動に関するもの」と追加で発表。同社株の16日の終値は1.2%安の324.5円だった。

トータルでは1%程度しか変動していない。売られたものの、あえて買い直しはしなかった層がいただけでマイナスの人事とはとらえられていないのだろう。

それなら最初から社長交代の発表だと伝えるか、それが嫌なら「人事関連の会見をします」と書けばよい話だ。

株主を大切にしろ、株式会社だろ?

つまらないところで株価を下落させる日本の企業は、もう少し自社の株主を大切にしたほうがいい。株主が大切にされない状態では貯蓄から投資も糞もない。

結婚の責任はだれがとるのか

ニュース?

toyokeizai.net

結婚の責任は男がとる

なんで男女関係あるんだよ。こういう発想しているやつが多いから性差別がなくならない。

「男が稼ぐもの」って考えているのが男か女か知らないが、まずはその発想を捨てろ。

高給取りには二種類いる

一つ目は金の亡者。結婚相手にも稼ぎを要求するような人。共働きで可能なかぎり多く稼ごうとする。

二つ目は自己顕示欲の塊。「養ってやるよ」というような人。同性から見ても気持ち悪い。

私は前者のタイプだ。結婚相手には職業と収入を求める。稼げるやつはそこそこの頭を持っているから話していても面白い。見た目や年齢は割とどうでもいい。

アスクルの倉庫で火事

ニュース

toyokeizai.net

記事に見どころは特にない

火事があったという事実を伝えているだけの短い記事。こういう記事は時間あたりに得られる情報量が多いから嫌いではないが。

ブランドの棄損

火事にあって被害を受けたとしても、実際に被害額を補てんするのは損害保険会社の役目であろう。直接的な損失は少ないはずだ。

あまり知られていないが、Amazonは倉庫を持たない中小メーカーに対して「出品するなら倉庫を貸してやる」と言って営業をしている。デメリットがほとんどないからAmazonに出品する。Amazonは利益を得てさらに倉庫を拡大する。Amazonはこれを繰り返して巨大化している企業だ。

こういった火災があるとアクスルは同じビジネスをしづらくなる。直接的な損失がないからといって危機管理を怠ってはならない。

保険のビジネス

今回の火災で保険会社はいくらかの保険金を支払わなければならなくなった。

保険会社は、大量のリスクを引き受けて分散させることで、安定した収益をあげるというビジネスモデルだ。リスクをとっているようでほとんどリスクをとっていない理想的なビジネスだといえる。

しかし、きわめて大きな自然災害などが発生すると、保険料を貫通して赤字になったりする。そのときに保険会社の社員がどう感じているかというと「損失は出たが、顧客が泣いて喜んでくれた。この仕事をしていてよかったと思う。」だそうだ。

仕事におけるやりがいは大切だ。やりがいがあると気力が上がって生産性も上がる。生産性があがれば成果が出る。もっとやりがいを感じる。こういった好循環が生まれる。

やりがいのない仕事は逆の悪循環にぶつかる。生産性の低い労働者は、自分からやりがいを探しに行くくらいの勢いを持つべきだ。

つづき

gaishinews.hateblo.jp

オートメーションで失業が加速

ニュース

toyokeizai.net

重要なビジネスマナー

会見に先立って、安倍首相の側は日本企業が米国で予定している投資案件をまとめ、お望みとあらば「70万人の新規雇用を創出するよう日本を説得した」とトランプ大統領がツイートできるようにしておいたのだ。

ニュースの本筋とは関係ないが、いま天下りで批判されている日本の官僚は優秀だ。

相手に何かを望むときは、相手が望むものに対応できるように事前に準備しておく。ビジネスにおいては極めて基本的なことがきちんとできている。

生産性の伸びが雇用を奪う

製造業が衰退した原因はオートメーションにある、とする見解があるが、世界で最も技術が進んでいるドイツと日本を見ても、ドイツは20%、日本は17%の(全雇用に占める)工場雇用を維持している

オートメーションによって雇用が奪われているわけではないという主張をする人がいる。オートメーションじゃないから貿易摩擦だといいたいらしい。

ドイツの場合、20%といっても1970年の水準からは半減しているということ、日本の場合は1973年のピーク(27%)の3分の2の水準に下がっている

ここがこのニュースの肝。要するにオートメーションによって雇用が奪われている。

難しく数字で考えるまでもなく、自動化が進めば工場の労働者の人員は減るだろう。そんなことは火を見るより明らかだ。

自動化の時代に労働者はどうなるのか

ロボットにできることしかできない労働者は、ロボットと価格競争をすることになる。ロボットのコストよりも安い賃金で働くから雇用してくれと言うしかないのだ。

これはどんな人でも同じ。高度な技術をもった高賃金労働者ほど、賃金を削減しやすいからロボットによる置き換えの対象になりやすい。

安い労働者は減らしても大してコストカットにならないから減らそうとされにくい。それでもなお、安い労働者から消えて行っているのだから、低賃金労働者はもう少し自分の価値を高めることを意識したほうがいい。

東芝:売却できない原子力事業、社員のリークが多すぎ

ニュース

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誰がリークしているのか

東芝は「元社員が」「某幹部が」と内部告発記事がきわめて多い。

誰がリークしているのかわからないが、情報の管理体制はどうなっているのか。もしくは正式にプレスリリースを出すと批判が怖い経営陣がやってるのか。いずれにせよ堂々と説明できない経営陣は無能。

ハイリスクビジネス

海外に打って出るためにPWRが主力のWHを狙ったのだろうが、原子力事業そのものは簡単じゃないし、事故リスクなどさまざまな問題を抱えている。

原子炉にはBWRとPWRの2種類ある。細かい区分は知らない。要するに2種類あって、BWRが旧型でかつ東芝が作っていたもの、PWR型のほうがグローバルスタンダードでありウエスチングハウスが作っていたもの、と理解しておけば十分なはずだ。

ニュースにおいては「どこまで理解すれば十分」と考える人は珍しくないが、仕事や勉強において「ここまで調べれば十分」「ここまで学べば十分」という発想がない人がいる。生産性が低い人の特徴だ。

福島原発の事故がなくても、甘くはなかったと思う。

リターンを望むならリスクを取らなければいけない。これは世の中の原理ともいえる仕組み。ハイリターンが望めるのであればリスクをとるのは悪いことじゃない。

売れないものは買うな

WHは売ってしまったほうがいい。中国か韓国の企業が名乗りを上げる可能性もある。

陰謀論などを信じるほど愚かではないが、中国に原子力技術を提供するのを嫌がる人たちがいるのは事実だろう。原子力関連の企業は、経済面というより政治面で売却が難しい。

じゃあどうすればいいんだっていう人がいるかもしれないが、答えは簡単で「買わなきゃいい」

後先のことを考えずに買ったのか、フィナンシャルアドバイザー(投資銀行や会計士事務所)の口車に乗せられたのかは知らないが、馬鹿みたいに高い金額でハイリスク企業を買ったんだから、倒産をもって落とし前をつけるしかない。

売れないし捨てられないものを買ったらどうなるかってのはふつうの頭を持っていればわかる。なぜ会社を買うときにそこに頭が回らないのか不思議でならない。

タワーマンションでなぜ節税できるのか

ニュース

president.jp

タワーマンションによる節税とは

「タワマン節税」とは、相続発生を見込んでタワーマンションを購入しておき、相続発生、相続税申告後に売却する節税手法をいう。

要するにただの節税。

どれくらい節税できるか

被相続人が相続発生の1カ月前に約3億円でマンションを購入し、被相続人死亡後の相続税申告でマンションを約6000万円と評価計上、相続人が購入から1年と待たずに2億9000万円で売却した

税率はリニアではないが、要するに5分の1に資産を圧縮して相続する人もいたそうだ。

なぜ節税できるのか

株式なら売りたいと思った0.1秒後には売却できるが、不動産は売りたいと思ってから最短でも何日もかかる。つまり現金化がしづらい資産。

しかも不動産の価格変動はそれなりに激しいから、いまいくらで売れるのかがなかなかわからない。結果として、相続の場面ではお役所的な現実と合致しないルールで価値がはかられ、実際よりもかなり安く見積もられてしまう。

お役所的ルールの1つが、低層階と高層階を区別しないものだったりするので、高層階を買っておけばきわめて安く見積もってもらえるようになるのだ。

日本のサービス業の生産性は先進国最下位

ニュース

toyokeizai.net

記事の指摘は少し違う

1995年以降、ほかの先進国の生産性が大きく向上して、日本の生産性が置いていかれている理由のひとつは、日本のサービス業がITを十分に活用できていないからという結論が導き出されています。

この文をはじめとしてITの活用に傾倒した記事。ITを活用すれば生産性が上がるのは事実だが、ITを活用できたら生産性が低くなくなるわけではない。

サービス業だけを見ているうちは解決策は見つからない。試しに日本とアメリカの2国だけがある世界を考えてみればいい。

日本   アメリカ
日本の輸出向け製造業 アメリカの輸出向け製造業
V   Λ
日本のその他の産業 アメリカのその他の産業

製造業は貿易できるから国家間で価格が釣り合う。その他の産業は輸出しづらいから各国で価格が決まる。

日本はサービス業の製品と比べて製造業の製品の質が高いから、サービス業は製造業よりも安くなる。アメリカは逆だからサービス業のほうが高くなる。このとき、サービス業の価格が比較可能になり、アメリカのほうが高いということになる。

日本   アメリカ
日本の輸出向け製造業 アメリカの輸出向け製造業
日本のその他の産業 アメリカのその他の産業

仮に同じだけの労働量だったとすると、アメリカのサービス業のほうが生産性が高くなる。

では製造業は飛び切り強いのか

そんなことはない。商品の質は高いがコストもかかっているから儲かっていないのだ。良品計画のように「そこそこのものをお値ごろで」という発想がないメーカーは徐々に衰退するだろう。

技術があってうれしいのは技術者であって消費者ではない。そこは心に留めておくべき。